天候と事故遭難・防止
●目の前で4人が死んだ。
30余年前、小田原漁港(早川堤防)で釣りをしていた。夏の快晴無風と記憶する。先輩格大型アジ釣り専門の佐藤さんが「トミさん、低気圧が太平洋にあるから、上の堤防で釣ろうヤ!」彼は息子に仕事を譲り釣り三昧の日々の工務店の社長と、加藤釣具店主人から聞いていた。「トミさん、今日みたいな日は、沖の水平線を時々見ながら釣りするもんだよ!」「水平線がどこにあるか赤灯台や景色を目印にしてサ」「水平線が盛り上がったら、スグ、逃げるんだ!」

●午後4時ごろ発生。
下の段の堤防には、10人程の釣り人、見物の中年夫婦と若い男女3人が歩いていた。
突然、湾内の海面が盛り上がり、下の段10人ほどが波に足をすくわれ転倒し、そのまま引き波で海中に落ちた。佐藤さんが、大声で「クーラーの蓋を閉めて海に放り込め、クーラーに捕まって沖へ泳げ!!〜」と怒鳴った。
●落ちた子供はクーラーに捕まり沖へバタ足で泳ぎ始めた。「待ってろ〜〜、漁船が来るから〜〜」10分後に船に引き上げられて助かった。
●大人は自力で這い上がろうとし、3人がテトラへしがみついたが、次の波でテトラに打ち付けられ手を離し水中へ消えた。
●大人2人は上下になり、堤防の1本の階段を上りはじめた。うねりの波は海面が上昇したままで5分ほども引かず、海面が下がらない。2人は水中の階段を懸命に登ってゆくが水圧で手足の動きがゆっくりゆっくりで遅くなかなか上らない。ついに息が続かず2人は手を離し、1人は沈んでしまい、1人は運良くテトラからの戻り波で海面へ浮いた。
●海面の中学生や高校生は助かったが、大人は死んだ。
これが高波の現実だ。
私も佐藤さんに助けられた結果になった。

●ご参考に
天気図を見ること。太平洋の四国より関東から岩手県近辺までに低気圧がある時は、高波が来る。
高波は突然来る